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認知症予防にも貢献する?アロマテラピーのパワー

認知症対策

「65歳以上の4人に1人がかかる」といわれている認知症ですが、近年は様々な研究が進んでおり、精油を用いた芳香療法(アロマテラピー)によって認知機能の回復を図れる可能性があることが明らかになりました。今回は認知症の具体的な症状や認知症とアロマの関係、認知向上に有効な精油などについて解説します。

65歳以上の4人に1人が認知症に?

高齢化が進む中、「認知症」というキーワードを耳にする機会も増えましたね。
認知症とは、さまざまな原因で脳細胞の働きが悪くなったり死んでしまったりすることで、いろいろな障害が発生して生活に支障が出ている状態を指します。
認知症の原因はまだ明確になっておらず、根本的な治療薬も存在しないといわれています。

「加齢に伴う物忘れ」と「認知症」とを混同している人もいるかもしれませんが、両者には大きな違いがあります。脳の老化によって生じる「加齢に伴う物忘れ」は、あくまでも部分的な物忘れであり、ヒントがあれば思い出せることもあります。進行性もなく、日常生活に特に支障をきたしません。

一方「認知症」は、脳細胞の破壊によって発生します。物事全体を忘れてしまい、仮にヒントがあっても思い出すことができません。しかも進行性のため、日常生活に支障をきたしてしまうのです。現在日本では65歳以上の4人に1人が認知症になるといわれており、誰もが油断はできません。

認知症の種類とそれぞれの特徴

認知症には複数の種類が存在しますが、「アルツハイマー型認知症」「脳血管型認知症」「レビー小体型認知症」が代表的です。中でもアルツハイマー型認知症は全体の約60%を占めるため、「認知症=アルツハイマー」と認識している人も多いようです。それぞれの認知症には、以下のような特徴があります。

●アルツハイマー型

海馬を中心に、老人斑や神経原繊維変化が脳の広範囲に出現することで、脳の神経細胞が死滅してしまうことによって発生します。主な症状は認知機能障害(物忘れなど)、物を盗られたという妄想、徘徊などです。

●レビー小体型

「レビー小体」という特殊な物質が生じ、脳の神経細胞が死滅することで発生します。主な症状は認知機能障害(注意力・視覚等の低下)、睡眠時の異常言動、幻視や妄想、うつ状態、パーキンソン症状などです。

●脳血管性型

脳梗塞や脳出血といった疾患が原因で脳内の血液循環が悪化することで、脳の一部が壊死してしまうことによって発生します。主な症状は認知機能障害(まだら認知症)、感情のコントロールができない、手足のしびれや麻痺などです。

認知症にアロマテラピーが効果的な理由

これまで認知症は、脳の海馬がダメージを受けることで発生し、最初に現れる症状は「物忘れ」であるといわれてきました。海馬は比較的近い期間の記憶を格納している器官で、物忘れや記憶力の低下を防いでくれる重要な存在です。

香りルード

しかし近年の研究によって、認知症になると「物忘れ」以前に「臭い」がわからなくなる嗅覚障害が起こることがわかってきました。それによって、「臭いを感知する神経と海馬が密接に連携しているのでは?」とも考えられるようになっています。さらに、アロマの香りで嗅覚を刺激すれば、臭いを感知する神経と密接に連携している海馬も活性化し、認知症予防や認知機能改善につながるとも考えられているのです。

アロマで認知機能が向上したという研究結果も

実際に鳥取大学医学部によって実施された研究で、アロマの刺激によって認知機能が向上する可能性があることが明らかになっています。

*実験方法*
アルツハイマー病(AD)10例を含む高齢者28例を対象として、コントロール期間の後、アロマテラピーを実施し、それぞれ前後で検査を行った。

◆使用精油◆
朝(9時~11時)ローズマリー・カンファー精油(2滴)、レモン精油(1滴)
夜(19時半~21時半)ラベンダー精油(2滴)、オレンジ・スイート精油(1滴)
方法:ディフューザーで散布

*実験結果*
アルツハイマー型認知症(AD)の患者において、全てではないものの、一部の評価指標に改善が認められた。特に、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症患者の改善が見られた。


※GBS…老年期痴呆行動評価尺度(日常生活動作能力の評価として広く用いられる。点数が低いほど認知機能が正常、点数が高いほど認知機能の低下が進行していることを示す。)

出典
アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性(Dementia Japan 19:77-85,2005)

また、症状が進行した高度アルツハイマー型認知症患者に対しても、認知機能を評価する一部の指標で、アロマテラピーを行って有用性が確認された研究データもあります。

*実験結果:TDAS(タッチパネル式認知機能検査)の手指名称記憶テストの点数推移

最初の28日間を何もしない期間(コントロール期間)とし、その後28日間でアロマテラピーを実施しました。効果の持続と消失を検討するため、その後28日間を何もしない期間としました(ウォッシュアウト期間)。その結果、手指名称記憶テストの点数(平均値)について有意な改善がみられました。

出典
認知症に対するアロマテラピーの有用性(公益社団法人アロマ環境協会hpより)

認知症予防におすすめの精油は

上記の実験は、昼と夜とで異なる精油を使用して行われたそうです。
アルツハイマー病(AD)患者は昼夜が逆転している場合も多く、アロマにはサーカディアンリズム(一日の生体リズム)を、自律神経の作用に基づいて整え、起床後は交感神経を優位にして脳を活性化させ、就寝前は副交感神経を優位にして、活性化された脳を鎮めリラックスさせるという効果もあるようです。

昼…「ローズマリー」「レモン」を配合した精油。
ローズマリーレモン

夜…「ラベンダー」「スイートオレンジ」を配合した精油。
ラベンダーオレンジ

これらの精油をディフューザーで拡散して、一日に数時間自宅で芳香浴をすれば認知症の予防にもつながるかもしれません。一日に数時間も芳香浴の時間をとるのが難しい場合は、アロマスプレーを衣類や寝具に吹きかけてもよいでしょう。

▶アロマを活用した認知能力の低下を抑制する使い方はこちらから

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大学の研究によっても明らかになっているアロマテラピーのパワー。
認知症は他人事ではないので、高齢になる前からアロマの力を借りて早めに予防を始めたいですね。

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